理事長メッセージ

 当監査法人は平成4年に鹿児島の公認会計士が中心となって設立され、その後、地域密着・地域貢献という設立の志を同じくする福岡・長崎のメンバーと共に、地元九州で30年近く監査業務を中心とした活動を行ってまいりました。
 私は平成20年に当監査法人の正式メンバーに加えていただいておりますが、設立に携わられた先輩諸氏から、これまでの歴史や現在の地盤を築くまでの苦労話を聞く機会にも恵まれ、既に法人を去られた方々の笑顔が浮かぶにつけ、任の重さを実感し、気が引き締まる思いであります。

 新任にあたって、先人の志を忘れないようにすることを念頭に置きながら、次のような指針をもって法人運営に取り組みたいと考えております。

 まず、監査の品質管理重視と関与先からの信頼性確保です。
 監査は経済・社会環境の変化への迅速な対応が求められますが、近時のグローバル化やIT化の進展等には特に目を見張るものがあり、監査手法はもとより、証拠の形態、それに対する分析や手続等において、私が当監査法人に入所した10年前と比較しても隔世の感があります。
 監査品質の確保は、常に最重要事項として掲げ、あらゆる局面で中心に位置付けておりますが、不断の新規情報収集、環境変化に迅速で有効な意思決定力を発揮できる組織体制の確立、遅滞ない研修による専門知識の更新、最新監査ツールの採用に向けて取り組みます。
 管理体制に不備の生じやすい規模の監査法人であることを常に認識し、監査業務の定期的検証や日常的監視を強化し、まずは、日本公認会計士協会の品質管理レビュー等で改善事項の生じないレベルの維持継続を眼前の目標に据えます。
 徹底した品質管理と同時に、設立当初から今日まで支えていただいた関与先からの信頼をより堅固なものとするために、経営者や監査役等の皆様と、より一層のコミュニケーションを図り、課題発見の迅速化と労を厭わない役務提供により、早期の問題解決に向けて取り組みます。

 次に、優秀な人材確保と育成です。
当監査法人は、大手監査法人に於いて一定レベルの実務経験を経た専門要員採用を前提にしておりますが、出身母体や経験内容により差が生じることから、全員統一研修や監査現場におけるコミュニケーションを重視し、チーム力強化による業務の高度均一化を目指します。
 また、社員・職員全員が経営者意識をもって行動し、挑戦する心は常に忘れないようにしてほしいとの思いから、新規分野へ積極的に取り組み、併行して、それを可能とするバックアップできる人員体制の確保に取り組みます。

 最後に、今、コロナ禍が世界経済に影を落とし、ニューノーマルの時を迎え、必然的に新たなスタンダードが模索されております。そして、新しい働き方だけでなく、ESG(環境、社会、ガバナンス)、SDGs(持続可能な開発目標)など、多くの分野において次の段階への取り組みが求められております。
 当監査法人も、経験したことのない先行き不透明な複雑環境を乗り超えていくために、全員が、新たに、明確な指標と共通認識をもって業務の変革に取り組みます。

 監査法人北三会計社は、将来に亘って関与先からの圧倒的に信頼される拠り所であり続けるべく、新規一転、気概をもって、新しい伝統を重ねながら将来を目指す所存であります。
 これからも更なるご支援とご鞭撻をよろしくお願いいたします。

監査法人北三会計社 理事長
古川 康郎